News - 2012年

其他:栗林みな実「HAPPY CRAZY BOX」インタビュー

原文1:栗林みな実「HAPPY CRAZY BOX」インタビュー1
原文2:栗林みな実「HAPPY CRAZY BOX」インタビュー2

2012年最新シングルはアニメ『めだかボックス』OPテーマ!

「笑顔で歌ったら、それだけでイイ感じになるような曲を用意しました(笑)」「HAPPY CRAZY BOX」(以下 HCB)はいつでもどこでも口ずさみたくなる、フレッシュなナンバー。c/wともども、これらが『めだかボックス』からどれほど力を得て生まれたのか、本人が熱く証言。


カップリングと合わせて、めだかボックス100%な二曲です

――今回は主題歌のイメージをどう膨らませていきましたか?

栗林 まず、アニメのシナリオと原作を全部読んだんですけど、学園物で楽しく前向きな曲にしようと考えました。めだかちゃんがすごく勢いのあるキャラクターなので、そこをオープニングの楽曲として上手く表現したいな、と思っていたんですね。で、詞を書いて、曲を書いて……と作っていったんですけど、曲がOKもらった後に詞を二、三回書き直したんですよ。こんなに直すのは久しぶりでしたね。最初に書いた歌詞は、善吉君の心情を反映させていたんですけど、(制作側から)めだかちゃんはこんなことを思ってないという内容のリテイクをいただいて、そこで、「あ、めだかちゃんのことを書かなきゃダメだ」と思ったんですね。作品全体ではなく、(めだかちゃん)一人が求められているんだと。

――栗林さんの中のめだか像というのは?

栗林 皆も物語も引っ張っていく役割ですね。いつも一番前にいる人というのは意識しました。人に影響を与えるというか、ああやって人を巻き込んでいくという部分って憧れるんですよね。

――作品とかなりリンクした歌詞ですが、そこは最初から?

栗林 そうするつもりでしたけど、ここまで色濃くなる予定はなかったです。これはもう(『めだかボックス』)100%ですよね(笑)。私は(歌の中で)はっきり何かを言わないほうがいいと思っているし、四月に発売されるということもあって、聴く側に色々と解釈してもらえるような楽曲を考えていたんですよ。でも、100%作品のための曲というか。“君らしさでいい”なんて、歌でも自分自身としても絶対言わないですね。でも、「このキャラクターなら言っても許される。なら作品の力を借りて伝える役割を果たそう」と思いました。「友情」なんて普段は言わないです(笑)。

――曲について意識した点も教えてください。

栗林 サビはキャッチーなもの、というアニソンを作る時の自分ルールがあって、それはいつも通りに出せたと思います。あとは、楽しい感じ。そこをとにかく曲で表現したかったです。テンポ感とか、メロディが駆け抜けていく感じとか。原作を読んでメッセージ性の強さ、前向きを感じていたので、そこはすごく出したいと思いながら作っていました。あと、あまりトップの音を高くしないように作りました。それは、皆がカラオケで歌いやすいように、と思って。頑張らなくても歌える曲にしたかったんです。爽やかで楽しい感じにするなら、高い音は必要ないと思いました。戦闘がメインの作品ではあまり考えないんですけど、カラオケっていつも私のそばにくっついてきてる、意識する存在なんですよね。皆がカラオケへ行ったら……というポイントはいつも考えます。

今までにない勢いと前向きさをあわせ持つ曲

――初回限定版のDVDに収録されたPVはどんなイメージから?

栗林 歌詞からイメージして作っていただきました。扉を開けるとおもちゃ箱があって、プレゼントとして私が入っているんです。ファンの人はきっと栗工を思いだすでしょうけど、特にそういうわけではなく(笑)。あと、この一〇年で、扉を開けたり向こう側に行ったりという歌詞を繰り返し歌ってきて、「どんだけ扉開けてんだ」って感じだったんですけど(笑)、PVに初めて扉が出てきて、初めて扉を開けました(笑)。

――c/wはどんな気持ちから生まれた曲でしたか?

栗林 これは原作を読んでいたら、もう一曲主題歌を作りたいという気持ちになっちゃって(笑)。「HCB」とバランスをとって、本当はミディアムテンポにするつもりだったんですけど、めだかちゃんのインパクトが強くて、「テンポが速い曲じゃないと似合わない」と考え直したんですね。それで、マイナー調なコード感ですけど、アップテンポな曲にしました。

――「HCB」と違いを出したところはどこですか?

栗林 めだかちゃんって善吉君が大好きなんですけど、最初はあまり出していなかったんですよ。だけど、一二、一三巻ぐらいになると、特別な場所にいる存在なんだと伝わる箇所があって。善吉の言葉が心に残ったり、そこから成長したり、というところが描かれているんですね。そこを読んだら、ちゃんと二人のことを歌ってみたいという気持ちになったんです。めだかちゃんって多分、完成・完璧をずっと目指しているけど、多分、終わりのない道だとは分かっていて。それでも求め続けるという彼女を歌にしようと思いました。“完成”と書いて“わたし”と歌うところはそれですね。

――最後にアピールを。

栗林 今までにない勢いと前向きさをあわせ持つ曲なので、作品と合わせて楽しんでもらいたいです。四月ということで、環境が変わった人も多いと思うんですけど、そういう方々の背中を押してあげられるような一曲になっていたら嬉しいですね。


Text/清水耕司(ボーグナイン)